2008/09/05

150億年の旅

死ねば再び、150億年の旅に出る
帯津良一「ガンに勝った人たちの死生観」


∞∞∞【死ねば再び、150億年の旅に出る】∞∞∞

生きているとはどういうことか?
死ぬとはどういうことか?

この問いは、今まで、宗教と、哲学の専門分野でした。
ガンの治療に西洋医学を超えて総合的に取り組んでいる帯津良一医師は、この「生と死の考え方=死生観」の確立も、治療方針の一つに取り入れています。
-----------取り上げた本--------------------------
帯津良一「ガンに勝った人たちの死生観」主婦の友社
帯津三敬病院名誉院長
西洋医学、東洋医学、代替医療を総合的に駆使した
がん治療で有名です。
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∞∞∞∞∞【人・生き物は日々生き、日々死んでいる】∞∞∞∞

死ぬという現象は西洋医学・科学でも取り上げられてきましたが、その意味というのはその範囲を超えています。
いわゆる「実証不可能」だからです。
ただ、人は或いは生き物は日々生きており、また、日々死んでいます。
西洋医学・科学が説明できなくても、私たちはこの生と死の問いを逃げられません。
まして、ガンともなれば、絶えずこの問いに直面しながら日々を過ごします。
帯津良一医師は、西洋医学・科学の枠を超えて、この問いに答えを出そうと試みています。

「私たちは、この宇宙と共に、エネルギーとして生まれ、150億年の旅をして、現在の生を受けている。そしてこの地上で、存在している。
死とは、この150億年の旅が終わり、地上でエネルギーを補填し、もう一度転回して、もとの宇宙が生まれる前、虚空へ還ることである。
今度は150億年の帰還が始まる。
死とは、この新たな150億年の旅に出ることである」

そんな壮大なイメージを語っています。


∞∞∞∞∞∞∞∞【ガンは総合戦略で治す】∞∞∞∞∞∞∞∞∞

帯津医師は、1981年、46歳のとき、帯津三敬病院を開院します。
それまではベテランの食道ガン外科医として、東京大学付属病院分、ついで都立駒込病院で腕を振るってきます。
最新の設備を使い、優れた治療をして、手術で患者が死ぬことは格段に少なくなったが、なぜか再発率が少しも下がらない、という現実に突き当たります。

この頃、アメリカの権威ある医学雑誌を過去50年間に遡って調べてみました。
50年前と現在では、医学の進歩は目覚しいものがあるのに、治療成績はなんと50年前とそれほど変わっていないのです。こんなことがあるのでしょうか。
医学の進歩がどうして、結果に反映しないのだろう・・・私は西洋医学の限界を見せられた思いで、愕然としました。

そこで帯津医師は、西洋医学的な「部分」だけをみるのではなく、「全体」としての「人間まるごと」見なければならないと思いはじめます。
そこで全体を見る医学(科学)、中国医学に関心を持ちます。
西洋医学、中国医学の併用・統合が理想ではないかと考えます。
ここから、あらたな帯津医師の挑戦が始まります。
従来の西洋医学をも踏まえ、漢方や代替医療を大き組み込みます。
「がんは総合戦略で治す」という方針で、がん治療に向かいます。
そしてユニークなのは、気功、太極拳などの道場も併設します。

「体、心、霊」の総合体ととして、また、「生命場」として人間を捉え、肉体のみでなく、心のあり方、霊=気=エネルギーの高め方をも治療の中に取り入れてきます。
心のあり方の一つが、死生観の確立です。
そこで語られるのが「150億年を旅してきて、150億年かけて元に戻る」

という、生命、宇宙観です。


∞∞∞【ひとはみな元気に生まれ、元気の海に還っていく】∞∞∞

現代の天文学では、宇宙は、170億年ほど前に、ビッグバンと呼ばれる大爆破で、無から宇宙が誕生したと捉えています。
帯津先生の論は、これを踏まえています。
ただ、「無」というのを、「虚空」と呼んでいます。これは、中国の宇宙観から来た言葉です。
虚空→ビッグバン→宇宙の誕生→物質・星・銀河の形成→170億年後の現在→自分の登場 となります。
そして、死んだら、この逆を辿って、今一度、虚空へ戻って行きます。
この旅するエネルギーが、「気」です。
私たちは、この気の集合体、或いは気の結節点とでも言えるでしょうか。
従って虚空とは気の元、宇宙が生まれる前の、エネルギーに満ちた「元気」なのです。
これは、五木寛之氏の「元気」に書かれていることとほとんど同じです。
五木寛之氏は、「ひとはみな元気に生まれ、元気の海に還っていく」と語っています。
帯津病院では、この死生観を持つことで、免疫力を高め、ガンから回復していった例も多くあります。
わたしは、病気であろうが、なかろうが、死生観、あるいは人生観・宇宙観を持つことが非常に大事で、その人の人生に大きな意味と安らぎを与えるものと思っています。